光る君へ 第8話 ネタバレ | Mayuのブログ
PR

光る君へ第8話ネタバレ

ニュース・エンタメ
スポンサーリンク
Advertisements

光る君へ 第8話 ネタバレ

寛和2(986)年、ついに兼家の念願が叶い、孫の懐仁が一条天皇として即位した時のことだ。式場となる大極殿(だいごくでん)は、飾りつけをする人たちでにぎわっていたが、ちょっとした騒ぎが起きる。髪の毛の生えた得体の知れない血の付いた頭が、天皇の玉座で発見されたのである。

予期せぬ不吉な出来事に、対応に困った儀式の責任者が、人を介して兼家に報告したところ、何やら眠そうにするばかりで、一言も発することがない。聞き漏らしたのかと思い、再度指示を仰ぐも兼家は何も言わず、そのまま、また眠るようなしぐさを見せた。しばらくして、ふと目を覚ますと、こう言ったのだという。

「飾りつけは済んだのか?」

これを聞いて側近はすべてを悟り、その場を退出したのだという。そう、兼家は何も反応しない態度をみせることで、側近に「怪事をもみ消せ」と伝えたのである。『大鏡』では、兼家がたぬき寝入りして怪事を無視したことについて、こう締められている。

「怪事を無視して何の問題があるのでしょうか。何もありません。兼家の判断は完ぺきなものだったのです」

この兼家にして、子の道長あり。のちに栄華を誇る道長は、あらゆる手段を用いて、のし上がっていく。その狡猾なふるまいは、父から学んのだろう。

家がここまで出世にこだわるのは、自身の苦い経験と無関係ではないだろう。兼家は三男に生まれながら、次男の兼通を出世で追い越すが、長男の伊尹(これただ)が亡くなると、状況は一変。台頭した次男の兼通によって、徹底的に出世を邪魔されることになる。

 一時は邸宅に引きこもるほどだったことを思えば、兼家は出世レースから外れることの怖さを身に染みて実感していたのだろう。

 今回の放送でも、そんな兼家の深謀遠慮ぶりが発揮された。ことの発端は、花山天皇(かざんてんのう)がお気に入りの側近として取り立てた、藤原義懐(よしちか)がさらに出世したことである。

ドラマでは、左大臣の源雅信と右大臣の兼家がいる部屋に、太政大臣の藤原頼忠が駆け込んできて、こう警戒心をあらわにする。

 「帝は義懐を従二位に上げたばかりか、権中納言にまでなさるそうだ」

 これには、左大臣と右大臣も思わず「なんと!」と声をそろえている。今後の展開について、関白の頼忠に兼家はこう述べている。

 「帝はあなた様を追いやって、義懐を関白になさるおつもりです」

実際に、義懐は猛スピードで出世を果たしている。永観2(984)年8月、花山天皇が即するやいなや蔵人頭に抜擢されると、10月の即位式には正三位まで上がっている。そして、今回の放送で物議をかもしたように、寛和元年(985)には従二位で権中納言まで出世を果たすことになる。

義懐は、摂政や太政大臣を務めた藤原伊尹(これただ)の五男として生まれている。母は、醍醐天皇の孫である恵子(けいし)女王だ。申し分ない血筋だったが、前述したように、父の伊尹が急死したことで、弟の兼通が実権を握るようになると、政局は流転する。兼通の子供たちばかりが引き揚げられて、義懐の出世は遅れることになる。

そんななか、義懐の姉にある懐子(かいし)が、冷泉天皇の女御となり、しばらくして師貞親王(もろさだしんのう)を産む。これが、のちの花山天皇だ。花山天皇からすれば、義懐は自分の外叔父にあたり、数少ない信用できる人物の一人だったのである。

ちなみに、整理すると、伊尹・兼通・兼家が藤原師輔(もろすけ)を父に持つ3兄弟であり、そのうちの長男である伊尹の子が、義懐ということになる。そのため、兼家の息子である道隆・道兼・道長は義懐と従兄弟関係にあたる。

ドラマでは、兼家の長女で吉田羊演じる詮子が、長男で井浦新演じる道隆に、こんなふうに意地悪を言うシーンがあった。

「兄上はあの義懐に追い越されて、まだ参議にもなっておられませんから……」

道隆からすれば、義懐は4歳年下の従兄弟にあたる。そんな関係性を踏まえれば、義懐の想像以上のスピード出世に、兼家の後継者と期待されていた道隆も、さぞ焦ったことだろう。

『栄花物語』の通り雅信は娘の結婚に反対するが…

「義懐をなんとかせねば」という緊迫したムードが高まる中、左大臣の源雅信はこんなことを言った。

「われわれ3人がしっかりと手を結んでおれば、義懐とて勝手気ままはできぬであろう。今われわれが仲間割れせぬことが大事じゃ」

何げないセリフだが、兼家は見逃さなかった。ここぞとばかりに、こう畳みかけた。

「ならば左大臣様、我が家の三男の道長を左大臣様の姫に、婿入りさせていただけぬか」 源雅信からすれば「しまった」と軽率な発言を後悔したことだろう。

平安時代の歴史物語『栄花物語』では、娘と道長との結婚話について、雅信が「あな物狂ほし」(バカバカしい)と不快感を示したという記述がある。このときの道長は左大臣の娘婿となれるような地位とは言えなかった。そんな雅信を説得したのが、倫子の母だったとされている。

雅信が結婚に反対する中、倫子の母で石野真子演じる藤原穆子(むつこ)が、「でも、右大臣家の三男でございましょ。偉くなるのは間違いありませんわ」と乗り気な姿勢を示している。さらに、当人の倫子もまんざらではない様子が描かれて、この結婚話が実現する状況は整ったといえよう。

「義懐の台頭」というピンチさえも、兼家にかかれば、雅信と結束して子ども同士の婚姻を進める絶好のチャンスへと早変わりだ。どんな状況でも自分次第でプラスになり得る要素を探す、その姿勢にはつくづく感心させられてしまう。

まひろは「山に囲まれた鳥かご」からいつ飛び出すのか

これから道長と倫子との婚姻話が進んでいくと思うと、やはり気になるのが、吉高由里子演じるまひろ(紫式部)の心情だ。倫子のことを尊敬しているだけに「二人ならお似合いだ」と自分に言い聞かせて、道長への気持ちを断ち切るのだろうか。

相関図はこちら   光る君へ大河ドラマ館はどこにある?

タイトルとURLをコピーしました