光る君へ第34話)目覚め,まひろの書いた物語りが宮中で流行る,NHK,2024年大河ドラマ | Mayuのブログ
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光る君へ第34話)目覚め,まひろの書いた物語りが宮中で流行る

TVドラマ
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光源氏の物語を天皇に気に入られ、臣下の皆にも楽しませるようにとの発言を受け、宮中に光源氏の物語が広まる。

光る君へ 第34話 あらすじ・ネタバレ

第34話 「目覚め」

まひろの物語に夢中になる、宮廷の人たちの姿が様々に描かれました。時代を代表する文化人、藤原公任(町田啓太さん)も、まひろのファンである妻の敏子(柳生みゆさん)に語って聞かせました。漢詩や音楽などあらゆる芸術のジャンルに通じる公任であるからこそ、宮中の話題を集めるまひろの物語は気になるのでしょう。美男美女夫婦が仲良く楽しそう。ステキな一幕でした。

読まれていたのは「源氏物語」第3帖「空蝉」の一場面。17歳の光源氏は空蝉という中流の女性に懸想します。一度契ったものの、身分が釣り合わないことを分かっていた彼女はその後、光源氏の誘いを断り続けます。ある時、光源氏は意を決して彼女の寝室に忍びますが、それを察知した空蝉は肌着姿で寝室を抜け出し、事なきを得ます。空蝉がいたその部屋には別の女性(軒端の荻)も寝ていて……、という有名な場面です。

光源氏は「この綺麗な娘ならいいか」とばかりに、その軒端の荻と契ってしまいます。以下は円地文子さんの現代語訳。端正で分かりやすい文章で「源氏物語」の原文の雰囲気もよく伝える名訳です。

若き光源氏を滑稽に描き、笑いものにするセンス。さすがの紫式部です。身分の高い男性らしい自分勝手なところも見せて、光源氏を絵に描いたような理想の人物にする気はさらさらありません。「おかしきもの」にこそ価値がある、という直秀や絵師の教えを思い出す場面でもありました。

この場面を夢中になって読んでいる皆さん、嬉しそうです。ちょっと艶っぽく、かつみっともない。しかもやんごとない「光る君」ですからますます面白いわけです。

土御門殿で行われた「曲水の宴」が雨天で一時中断した際、雨を避けて休憩した道長たちとまひろの対話です。源俊賢(本田大輔さん)が興味津々に「なんで光る君を“源氏”にしたのだ?」とまひろに尋ねます。

「親王さまでは好き勝手なことをさせられませんから」とまひろ。すると俊賢は「臣下の籍に降ろされた亡き父、高明を思い出した。父は素晴らしき人であった」と感慨深げでした。俊賢や道長の妻、明子(瀧内公美さん)らの父、源高明は醍醐天皇の第10皇子。教養豊かで政治力もあり、臣下になって左大臣にまで昇りましたが、藤原氏に疎まれ、「安和の変」という事件で失脚。恵まれない晩年を送りました。光源氏のモデルのひとりともされています。俊賢が父と光源氏をダブらせ、紫式部と差し向かいで父を懐かしむというシーンは、「源氏物語」ファンからしたら感涙ものだったでしょう。まひろも「どなたの顔を思い浮かべられても、それはお読みになる方次第でございます」と、自分の物語が俊賢の心に響いたことが嬉しそうでした。短くとも、人物の背景を合わせて見ると一層、情感あふれるシーンでした。

なおこの「曲水の宴」の場面、雨が降ったことは道長の日記「御堂関白記」にも「(前略)その後、風雨が烈しくなった。廊の下の座に雨が入ってきた。そこで対の内部に座を設けていた頃に、公卿が来られて、座に着した」(講談社学術文庫「藤原道長『御堂関白記』上」から)と記録があります。このほんの一節から想像を膨らませて、この名シーンに至ったわけです。ここにも物語創作の一端が垣間見えます。

「光る君」の物語は楽しいだけではなく、つい自分事のように思える魅力がありました。藤原斉信(金田哲さん)は「光る君はオレのことかと」と真顔で言い、笑いを誘いました。公任の妻、敏子も夫に「あなたにも似たようなこと、おありなのでは?」。おそらく、口にしないだけで夫の恥ずかしい行状に心当たりがあるのでしょう。そんな言いぶりでした。優れた物語はたいがい、「これは私の話なのでは」と読み手に思わせる部分があります。「源氏物語」は現代人にとっても魅力的です。時代をも超える普遍的な構造を持っている、ということでしょう。当時の一条天皇ももちろん、同じ思いでした。

一条天皇から物語創作の経緯を尋ねられ、まひろは「左大臣から帝に献上するものを書け、と言われた」と道長から依頼された舞台裏を正直に明かします。さらに「何が帝のお心を打つのか思いつかず、左大臣さまに帝のことをあれこれ伺いました。書いているうちに、私は帝の悲しみを肌で感じるようになりました」。「帝も私たちと変わらない。迷える人なのだ」という認識でなければ言えない言葉。大胆ではありますが、まひろの真骨頂でもあります。

一条天皇は「朕に物おじせず、ありのままを語る者は滅多におらぬ。そなたの物語は朕にまっすぐに語り掛けてくる」と改めて絶賛します。前回、まひろが「物語は女子供だけのものではありません」と高らかに宣言したとおり、彼女の物語は老若男女を問わず、人々の心を揺るがしはじめました。文芸の持つ力が人を動かし、人の気持ちを変える。「光る君へ」の核心のテーマでしょう。

一方、まひろのことが気になって仕方ない中宮彰子。自ら局に足を運びます。2人きりで話したいので、付いてきた女房、左衛門の内侍(菅野莉央さん)には「そなたはよい」「下がれ」とぴしゃり。これまでの彰子には一見、感じられなかった明確な意思が、徐々に外に向けて表現されるようになってきました。

彰子は「そなたの物語の面白さが分からぬ。男たちの言っていることが分からぬ。光る君が何をしたいかも分からぬ」とまひろに言います。分からないものを「分からない」とはっきり言えるようになった彰子。これもまひろの存在がもたらした、彼女の大きな変化でしょう。そして「帝はそなたの物語のどこに惹かれているのだろうか」とぽつり。帝の思いを共有したい、という告白。やはり彰子は帝としっかりした絆で結ばれたいのだ、という真情をまひろも感じたことでしょう。引っ込み思案の深窓の令嬢に、どうやって男女関係の機微を伝えたものでしょうか。娘の心配をする道長にまひろが訴えたように、「中宮のお心が帝にお開きにならない限り、前には進まない」のは確かなのです。

そうした折。「曲水の宴」で御簾越しに彰子が目にしたのが、父・道長たちの思いがけない姿でした。「いい身体している」だの「笛が吹けない」だの、他愛もない話題で盛り上がるいい年した大人たち。男って本当にいくつになっても、というよくある場面でした。

「さっき、父上が心からお笑いになるのを見てびっくりした」と彰子。男たちの普段の姿を知らないことが、彰子にとって大きな壁になっていたことが分かります。そこからのまひろの返しが憎いばかりでした。「殿御はみな、可愛いものでございます」。「帝も?」という彰子に、「帝も殿御におわします。さきほどご覧になった公卿たちと、そんなにお変わりないように存じますが」。そして。

「帝のお顔をしっかりご覧になって、お話申し上げなされたら、よろしいかと存じます」。

つまりは「帝も私たちも同じ人ですよ」。まひろならではの言葉でしょう。彰子の「目覚め」のきっかけになったのかもしれません。

終盤に「源氏物語」の展開の上での大きなヤマ場が訪れました。道長からもらったあの扇を手に、ストーリーを練るまひろ。

幼き日、逃げた鳥を見失い、河原で三郎(道長)と出会ったときのこと。ロマンティックな思い出につい浸ってしまいます。

「小鳥を追っていった先で出会ったあの人。あの幼い日から、恋しいあの人のそばで、ずっとずっと一緒に生きていられたら、一体どんな人生だったのだろう」。実際にはそばにいることは叶わなかった道長とまひろ。まひろの空想はやがて具体的な形となって姿を現します。

第5帖「若紫」から。光源氏とある少女の出会いが描かれます。少女はのちに、源氏の終生の伴侶となる紫の上になります。数多くの女性が登場する「源氏物語」の中でもヒロイン中のヒロインというべき人物。光源氏と苦楽を共にし、また源氏から喜びと悲しみの両方をもたらされる生涯となります。さらに彼女の死は、「源氏物語」全体の中でも大きな節目となります。それほど重要な存在だけに、今回の紫の上の登場はドラマでも丁寧に描かれました。「道長-まひろ」の関係から発展して構想されたのが、「光源氏ー紫の上」という形で表現されていたのはちょっと注目したいです。これからもドラマの「道長ーまひろ」の関係性と、「源氏物語」の「光源氏-紫の上」のストーリーが微妙に絡み合っていく、という予告なのかもしれません。

mayu
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道長が褒美として準備した扇にまひろへの愛を感じましたね。幼き日の1日を今でも大切に覚えている。という強烈なラブレター。この後の2人の展開が気になります。

光る君へ NHK大河ドラマ 概要

「光る君へ」物語のあらすじ

10世紀後半、京で生まれた一人の女の子。父・藤原為時は和歌に秀で、名を知られた文人。貴族の中ではけっして上位ではないが、名家である。女の子はまひろと名付けられ、幼くして母を失ったものの、弟とともに父の慈愛を受けて育つ。


まひろの文学の素質は際立ったものがあり、弟への講義を横で聞くだけで、漢学も和歌も覚えてしまうほどだった。学問はまひろにとって、心の中の豊かな世界観の礎となる。
母の死から数年後、少女のまひろが出会った運命のひと。それがのちの最高権力者となる藤原道長である。そのころの道長は、まだ兄たちの陰に隠れて、おっとりとしたかわいらしい少年にすぎなかった。

成長するにつれて、まひろと道長は、子どもらしい親しみから、やがてお互いに惹かれるようになる。しかし両家の家格の違いと、まひろの母の死にまつわる秘密が、二人の関係に影を落とす。
その後、父の受領としての赴任先・越前に同行したまひろ。一方で、道長はライバルを蹴落とし、権力の階段を急速に上り始めていた。まひろは思いを断ち切って、京に戻り藤原宣孝との結婚を決める。宣孝とは父ほども年が離れており、娘を授かったものの、わずか一年で夫が急逝。まひろはシングルマザーとなる。


道長は、天皇に娘を入内させ、いずれは天皇の祖父=外戚となることをもくろんでいた。天皇、道長たち貴族、そして后や姫たちの複雑な人間関係を聞き知ったまひろ。生来の文学好きと結びついて想像が広がり、子育てのかたわら、一編の物語を書きはじめる。主人公は皇子でありながら、臣下となった光る君。その呼び名のとおり光り輝くように美しい男性だ。やがて「源氏物語」の評判は道長の耳に入り、娘に后としての教養を授ける女房として宮中に上がるよう、強く誘われる。ライバルを抑え、我が娘に文学好きな天皇を惹きつけたい思いが、道長にはあった。


一人娘の養育のために、宮中に上がることを決意するまひろ。宮仕えのかたわらで、道長のバックアップを得て、乞われるままに源氏物語を書き進む。書き上げる端から周囲が奪い合うほどの人気ぶりで、女性たちはもちろん、天皇までもが源氏物語に魅せられる。ヒロインの紫の上にちなんで、まひろに「紫」の呼び名が冠されるほどだった。

タイトル「光る君へ」とは

源氏物語の主人公「光源氏」は、原文では「光る君」と書かれています。光り輝くような容姿の美しさ、頭脳明晰であることはもちろん愛嬌にもあふれ、和歌にも音曲にも長けた、非の打ちどころのない男性。それが光る君です。紫式部が誰をモデルとして光源氏像を打ち立てたかについては、諸説ありますが、その有力なひとりが藤原道長です。
タイトルの「光る君へ」は、我が手で生み出した、かけがえのない【源氏物語】、そしてこのドラマ全編を通じて、ときに惹かれ、ときに離れ、陰に陽に強く影響し合うソウルメイト【藤原道長】への、紫式部の深くつきることのない想いを表します。

キャスト一覧

紫式部/まひろ役・吉高由里子さん
藤原道長役・柄本 佑さん
藤原為時役・岸谷五朗さん
ちやは役・国仲涼子さん
藤原惟規役・高杉真宙さん
藤原兼家役・段田安則さん
時姫役・三石琴乃さん
藤原道隆役・井浦 新さん
藤原道兼役・玉置玲央さん
藤原詮子役・吉田 羊さん
高階貴子役・板谷由夏さん
清少納言役・ファーストサマーウイカさん
安倍晴明役・ユースケ・サンタマリアさん
源倫子役・黒木 華さん
源明子役・瀧内公美さん
藤原実資役・秋山竜次さん
藤原公任役・町田啓太さん
藤原斉信役・金田 哲さん
藤原行成役・渡辺大知さん
源俊賢役・本田大輔さん
源雅信役・益岡 徹さん
藤原穆子役・石野真子さん
藤原頼忠役・橋爪 淳さん
藤原宣孝役・佐々木蔵之介さん
藤原定子役・高畑充希さん
藤原彰子役・見上 愛さん
藤原伊周役・三浦翔平さん
円融天皇役・坂東巳之助さん
花山天皇(師貞)役・本郷奏多さん
一条天皇(懐仁)役・塩野瑛久さん
直秀役・毎熊克哉さん
赤染衛門役・凰稀かなめさん
乙丸役・矢部太郎さん
百舌彦役・本多 力さん
いと役・信川清順さん
藤原道綱役・上地雄輔さん
藤原寧子役・財前直見さん
藤原隆家役・竜星 涼さん
さわ役・野村麻純さん
絵師役・三遊亭小遊三さん
藤原忯子役・井上咲楽さん
藤原義懐役・高橋光臣さん
三条天皇役・木村達成さん
藤原顕光役・宮川一朗太さん
藤原頼通役・渡邊圭祐さん
朱仁聡役・浩歌さん
周明役・松下洸平さん

相関図はこちら   光る君へ大河ドラマ館はどこにある?

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