ついにお互いの身分を明かすまひろ。道長の正体を知ってしまうまひろは衝撃のあまり気を失ってしまう。
光る君へ 第5話 ネタバレ
舞をした日から、数日間、寝込んでいたまひろのもとに祈祷師(きとうし)が招かれ、巫女がまひろの母・ちやはと思しき霊を降ろして語りはじめました。けれど目を覚ましていたまひろは、これ以上、胡散臭い祈祷師が来るのは困ると寝込むのをやめる。
その晩、まひろは父「藤原為時」(ふじわらのためとき)から「道兼様のことは胸にしまって生きてくれ。ちやはもそれを望んでいる」と諭される。それは右大臣家を後ろ盾にしている藤原為時のためと、まひろの弟「藤原惟規」(ふじわらのこれのぶ)の将来を守るためでもあったが納得できないまひろ。
即位した「花山天皇」(かざんてんのう)は、政治能力などないだろうと軽んじられいたが、蓋を開けてみれば先例に囚われない斬新な政治手法で周囲を驚かせる。
「藤原義懐」(ふじわらのよしちか)や「藤原惟成」(ふじわらのこれしげ)だけの言葉を聞き、本来、天皇を補佐するはずの関白・左大臣・右大臣などには耳を傾けない。
やる気はあるものの周囲を顧みない振る舞いには、前帝「円融天皇」(えんゆうてんのう)の代から蔵人頭(くろうどのとう:天皇の筆頭秘書官)を務める「藤原実資」(ふじわらのさねすけ)も夢を語るだけは誰にでもできる。しかし実が伴わねば世が乱れるのは必定と嘆く。
そうした憤りは右大臣「藤原兼家」(ふじわらのかねいえ:藤原道長の父)も同じであったが、花山天皇の溺愛する女御「藤原忯子」(ふじわらのよしこ)が子を宿したことで焦っていた。
もし花山天皇に男子が誕生すれば、藤原兼家の孫で東宮(とうぐう:皇太子)でもある「懐仁親王」(やすひとしんのう:のちの「一条天皇」(いちじょうてんのう)は廃嫡される可能性もあったからだ。それどころか今は右大臣の立場を保っている藤原兼家ですが、その政治基盤も危うくなる。
「家の繁栄のため」といった理不尽ながら当時の人々らしい行動理念で、藤原兼家は、関白「藤原頼忠」(ふじわらのよりただ)、左大臣「源雅信」(みなもとのまさのぶ)らと共謀し、「安倍晴明」(あべのせいめい/はるあきら)に呪詛(じゅそ)を依頼。呪詛するのは、もちろん藤原忯子のお腹の子である。
一方、藤原道長も行動を起こし、まひろが倒れたのは身分を偽っていた自分のせいだと思い込み、直接会って話がしたいとまひろに文を送る。そして散楽の「直秀」(なおひで)の手引きで、まひろと藤原道長は夜に落ち合うことに。藤原道長は自分の正体を明かし、まひろに詫びる。
しかし、まひろは藤原道長の正体よりも、藤原道兼の弟だったことに衝撃を受けたのだと告げ6年前の事件のことを告白する。藤原道兼に母を殺され、父の言い付け通り誰にも言わず過ごしてきたのだと告白。藤原道長は兄の凶行を疑わず「俺は、まひろの言葉を信じる」と言い、何度もすまないと謝ります。
さらに、まひろは母が死んだのは自分のせいだとも涙ながらに語りました。6年前の日、まひろはまだ三郎と名乗っていた藤原道長と会う約束をしており、急いでいた道すがらまひろが馬の前に飛び出してしまい、道兼が落馬したために母が藤原道兼に殺されたから。それが、まひろのもうひとつの告白だった。
こうして、まひろと藤原道長の間にあった隠しごとはなくなります。けれど、まひろは藤原道兼を恨んだままで、また藤原道長の方もまひろへの負い目と、兄への懐疑心を抱くことになった。